戸隠裏山へ。高妻山・乙妻山
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日本100名山の一つ、高妻山。
標高2353mで、自分の住む東側の信濃町から見ると飯縄山と黒姫山の間に見える台形の形をした山。
その台形の左側に高妻山のピークがあり、右端のピークが乙妻山。
ところが戸隠スキー場など南側から見るその姿は、戸隠富士の名に恥じぬ、かっこいい尖峰形をしている。
今度、ガイドの仕事が入ったので、登山道の状況や花の様子などの下見がてら、久しぶりに高妻山に登る事に。
午後から雨予報の不安定な天候と、長いルート、そしてできれば乙妻山まで足を伸ばしたかったのもあり、朝の5時半に登頂開始。(ほんとは5時から登りたかったけど起きれなかった。)
戸隠キャンプ場前の登山者向け駐車場に車を停める。
平日で天気も微妙だからか、車は自分の1台のみ。
キャンプ場を抜け、戸隠牧場を突っ切り、大洞沢の登山道へ。
牛さんは早朝から草を一生懸命に食んでいます。
沢沿いを歩き、途中何度も渡渉を繰り返します。
登山道沿いでは、カラマツソウやヤマオダマキ、オオバミゾホオズキにタニウツギなどが咲いています。
帯岩をトラバースして少し登ると、氷清水という名の美味しい湧水。
そこからさらにひと登りで、稜線の鞍部である一不動の避難小屋に到着。
左手側、南に進むと戸隠山へと続く稜線、そして右手側へ北に進むと、高妻山へと続く登山道。
かつて戸隠の修験者は、戸隠山あたりを表山、そして高妻・乙妻山の方を裏山と呼んで、厳しい修行の場としていたそう。
一不動に始まり、二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵、六弥勒、七薬師、八観音、九勢至、十阿弥陀、十一阿閦、十二大日、十三虚空蔵…..。
飯縄山の南登山道と同じく、死後の世界を司るという十三仏が祀られています。
ひたすら登っては降りてのアップダウンを繰り返し、高妻山の山頂を目指す中々タフなコース。
確かに修行です。
木々の間から時々見える高妻山。まだまだ遠い。
そして、最後にあの急登を登るのか….と言いたくなるようなお姿。
でもかっこいい。
稜線歩きの道沿いには、コイワカガミやツマトリソウ、ゴゼンタチバナにヨツバシオガマなど、沢山の花が咲いていて楽しませてくれます。
今日は曇りがちであまり展望はないけど、その分暑くもなく快適、快適。
九勢至からみる高妻山。
ここまで来て、最後に一番タフな登りが待っています(笑)。
十阿弥陀と神鏡が祀られています。
鏡の裏側に回り込んでみると..
奉納、戸隠御裏山の文字。
年号は文久とあります。
幕末、1862年頃のもののようです。
かなり大きくて重そうなのですが、台座と鏡部分などいくつかに分かれるようなので、分担して何人かで運んだのでしょう。
台座には、善光寺町や松代などからのおそらくこの神鏡設置に携わったと思われる信者の方々の名前が刻まれています。
また智照院という名が刻まれていますが、調べたところどうやら千曲市にある天台宗のお寺のよう。
古くからの信仰と修験の場所であるということを改めて感じます。
高妻山の山頂は、十阿弥陀からさらに少し進んだ先にあります。
さくさく歩いてきたので、まだ9時前。
ということで乙妻山まで足を伸ばすことに。
高妻山から先、乙妻山へ向かう稜線は、切り立った岩稜から始まります。
道はしっかりしていますが、転んだら転・滑落は免れないので慎重に歩きます。
ハクサンイチゲやミヤマダイコンソウなど、高妻山山頂までは見かけなかった花々が咲いています。
高妻山と乙妻山の鞍部にはまだしっかりと雪が残っています。
そしてシラネアオイがちょうど満開で迎えてくれました。
乙妻山山頂。
ほんとはすぐそこに妙高や火打、焼山などの頸城の山々が見えるはずなんだけど、この日は厚い雲に覆われて展望はなし。
それでも真上の空だけは青空がのぞいていました。
ここで少し早い昼食。
全くの貸切山行。
だ〜れにも会わない。
会ったのは猿くらい。
昼食食べ終わって、まだ10時過ぎだけど帰り道も長いので帰ることにする。
帰りも当然アップダウンを繰り返す。
もう6月も下旬だけど、標高2300mの稜線では峰桜が咲いていました。
歩いてきた稜線。
帰りは六弥勒から降りる弥勒尾根を目指す。
戸隠山・西岳方面。
奥裾花川の源流部。
沢登りで、いつか行ってみたい。
弥勒尾根も中々急な斜面をひたすら降る。
標高1700mくらいから下はだんだんとブナの森へ。
ギンリョウソウが沢山。
そしてギンランも咲いていました。
程なく戸隠牧場へ下山。
牧場のなかにあるカフェで美味しいソフトクリームをいただく。
久々の高妻山は、やはり素晴らしい山でした。
あとはガイドの日に良い天気になってくれること、そして皆さんが安全に楽しく完歩できるように最善を尽くすのみ。
だけど、台風発生のニュースをみてしまった。。
しかも登山予定日に本州直撃予報…。
やめてーー。
どうか逸れますように…。